2001年05月27日(日曜日)

Another Holly War -第二次洗濯機の変-

 私は今日、洗濯機をかけていました。週末はお洗濯。いつものことです。洗濯機のスイッチを入れて運転を始めてから、私は掃除機を持ち出し部屋の掃除を始めていました。私の部屋はメインの部屋と洗濯機やバス、トイレ、キッチンが扉で区切られている典型的な1Kです。今日は窓を開けて、メインの部屋の内側に向けて開いてくるドアは掃除の時邪魔なので、閉じて掃除機をかけていました。洗濯機は、古くなって回る度にゴンゴン激しい音が聞こえてきますが、無事にいつものように回っています。そしてメインの部屋に掃除機をかけ終わり、キッチンの方にも掃除機をかけようと、私は部屋を区切るドアを開けました。すると・・・。

 な〜んと、キッチンの方が一面水浸しになっているではありませんか!ふと洗濯機の方を見ると、排水パイプが見事に外れてそこから水が吹き出しています。

 「ブチッ!」

 その時、自分の頭の中でそのような音が聞こえました。そして口に出した台詞は「あ”!? またか、コラ!?」といったようなものでした。そう、こちらに来てから以前にも一回こういうことがあったのです。その時にもう洗濯機の排水パイプが外れるなどという悲劇が起こらないようにきつくパイプを締めたつもりでしたが・・・。一面水浸しになっているキッチンフロアを見て私が感じたもの、それは怒りでした。当惑でも憂鬱でもなく、確かな怒りでした。水を吸って膨れている足拭きマット、火曜日に捨てるはずのゴミ、実家から送ってもらった夏服・・・。それらを見て、巨大な水たまりと化した床を見て、私は確かな怒りを感じていました。床に波打つ水面を見ると、微かに、しかし確かに泡立っています。またも洗剤入りの水が大漏出しているのです。その事実は私をさらに怒り狂わせるに至りました。「またイチイチ雑巾で水を吸い出して、ってやるのか俺は!? チクショウ、やってられるか!!!!!」と心の中で叫びつつも、かといって自分でやらなければ他にやってくれる人などいるはずもありません。しかたなく怒りに燃えながらも雑巾で水を吸って絞り、水を吸って絞り・・・、という作業をひたすら繰り返します。回を追うごとに怒りのボルテージは高まっていきます。が、これはまさにやり場のない怒りです。「あ〜もう、なんでせっかくの日曜に俺はこんなことやってんだよ?」と疑問に思い、試みに「ったく、チクショウめ!!!!!」と声に出して悪態をついてみたところで何が変わるわけでもありません。結局私は一時間近く雑巾で水を吸って、絞ってまた吸って・・・、という作業を延々くり返していました。段々雑巾を絞るのにも力が入ってきます。怒りのパワーです。

 それでもその不毛な作業をどうにか終え、私は手と足を水洗いして洗剤を流し、ギターでも弾こうかなと部屋に帰っていきました。その時、ふと手を見たら左手の親指の人差し指側の爪と第一関節の間辺り、ちょうど雑巾を絞る時に力の加わる部分に異変が起きているのに気付きました。そう、水で皮膚が柔らかくなったのか、その部分の皮がベロンとめくれて肉が剥き出しになっているのです。いつからこうなっていたのでしょう?全然気付かずに雑巾を全力で絞り続けていました。きっと怒りのパワーがもたらすアドレナリンが、私に痛みを忘れさせていたに違いありません。とりあえず私は「消毒くらいはしといた方がいいんだろうなぁ」と傷を消毒し、カットバンを貼って簡単に処置をしておきました。第二次洗濯機の変、それは私に久しぶりに"憎悪"という感覚を思い出させてくれました。すべての処置が終わった後、洗濯機の排水パイプをもう二度と外れないようにガムテープでグルグル巻きにしておいたのは言うまでもありません。

「てめぇらのくだらねぇまねのおかげで久々に目のさめる思いだぜ。思い出したよ、久しぶりに。最初の気持ちってやつを。ありがとよ、最悪の気分だ

『ベルセルク 断罪篇-縛鎖の章- 去来』より

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