2014年07月07日(月曜日)

モンゴル旅行記-2

モンゴル-ウランバートルを出た道程  今回のモンゴル研修、14日はお勉強というよりはモンゴル体験を目的とした一日。ウランバートルを出て、およそ80kmほど離れているというテレルジ国立公園へ向かいます。テレルジはツーリスト向け観光地となっていて、観光客向けにゲルでの宿泊等ができ、シャワーや食堂も設置された体のいいツーリスト・キャンプです。とはいえ電気が使えるのかもよくわからないし、シャワーはお湯が突然水になるなんてザラだというし、そもそも日本ですらほとんどキャンプをしたことがない自分にとって、このテレルジでの一日がどんなものになるか、行く前は旅程の中で一番楽しみにしていた半面、不安も結構あったのが正直なところです。それでも道中、ウランバートルの終端のゲートをくぐると、そこからは昨日同様どんどん景色が変わっていって、洋風のレンガ積みの家があったと思えばそれにゲルが混じってきて、本格的な草原に入ったと思ったらそこに突然工場が現れたりと、窓の外を見ているだけでまたその日本ではおよそ見られない風景にテンションが上がってきて、その小さな不安は忘却の彼方に消えていきました。
モンゴル-チンギス・ハーン像  そのようにして草原をしばらく走っていくと、突如として現れるのがこの巨大なチンギス・ハーン像。風景の中に突如脈絡なく現れる巨大な像という点で、石川は加賀温泉の慈母観世音菩薩を思い出させます。でもきれいに風景に溶け込んでるから加賀観音ほどのシュールさはないですね。広大な丘と草原、そして青空に囲まれて立つ様はまさに大チンギス・ハーン。モンゴルでは至る所にチンギス・ハーンの像やブランドがある辺り、今でも相当な信仰があるのだなと感じられます。新潟における田中角栄より、もっとブランド力ある感じでしょうか。今後はこの像の周りに騎馬兵の像をたくさん建立して並べていくそうで、お金を出せばその兵を自分の顔にすることができるとか。一体いくらくらいでできるんでしょうね?若干気になります。その他、ここでは2000トゥグルグ払うと鷲を腕に乗せてくれる商売があったりして、自分もやってきました。結構ねぇ、重いんですよ鷲。空飛ぶ鳥だから見た目の割に軽いんだろうなと思って油断してたら、案外見た目通りに重い。これもいい体験でした。
モンゴル-御坊  チンギス・ハーン像を出た後、次に立ち寄ったのがこの御坊。モンゴルにチベット仏教が入ってくる以前のシャーマニズムの聖地のようなものだそうで、このように石を積み上げて青い布等で飾って祀る、日本で言うなら地蔵のような感じでしょうか。長い旅に出る際は自分の村の御坊の周りを3回回って道中の安全を祈願するのがしきたりだそうで、我々も式に則ってやってきました。まず御坊の周りにある小石を3つあらかじめ拾っておき、1回回るごとに1つ、御坊に石を投げていくそうです。3回終わると手の中の石もなくなる。そのようにして、古のモンゴルの旅人は安全を祈っていたのだとか。今回のように大勢で周囲をグルグル回ると、絵面的には若干シュールな感じになりますが、そのシュールさがまた宗教っぽくてちょっといい感じだったりもしました。
モンゴル-テレルジ ツーリスト・キャンプのゲル  そしていよいよテレルジ国立公園の宿泊場所、ツーリスト・キャンプに到着します。ここは本当に風光明媚なところで、空が晴れている時であれば本当に気持ちがいい。よく撮れた写真を何枚か、これもFBに上げてあります。着いてから少々自由時間もあったので、辺りをちょっと散歩してみます。寝泊まりする場所であるゲルのところはさすがに舗装された道があるのですが、そこを出るともう後はただ草原。道もなく、当てもなく、ただ気持ちいい空、風、草と土の感触を確かめながら歩いていく。なかなかそんな散歩はできないなと、旅特有の幸せな高揚感の中で思いました。道がないのがいいのです。どこを歩いてもいい。道があって、歩くべきルートが決まっていて、辿り着くべき場所がある、そんな歩き方じゃなくてもいいじゃないかと、この岩山と草の丘に囲まれた、広大な大地でぼんやりと考えました。何だか、人生にも通じそうですね。この日の天気はモンゴルにしては珍しく少し不安定で、自分が散歩をしている間でも曇ったり晴れたり忙しく空模様は変わっていきましたが、青空におもちゃみたいな白い雲がぽかーんと浮かんだ草原は、何だかその真ん中にいるだけで気分がよくなる素敵な場所でした。よく「小さなことなんかどうでもよくなる」とか言いますが、そんな感じでもなく、どうでもよくなるのでなくただただ自然と気持ちいい開放感。この風景はそんな気分にさせてくれます。
 お楽しみここで我々が宿泊するゲルは4人部屋でこのような感じでした。装飾もきれいなところですが、昼間であれば天窓から入る明りで、電機などつけなくても普通に明るい。特に生活するには支障がない程度の明りは天窓からの自然光だけで充分確保できていました。やっぱりこのゲルというものも、機能的によく考えられているんですね。このキャンプのゲルは違いますが、昨日お邪魔したトマト農家の方のゲルではソーラー発電で電気を確保していたりして、現代のゲルはさらに機能性を増している様子です。

 そしてこの後まだ、このテレルジではモンゴルの遊牧民の一般家庭を訪問し、乗馬体験をしと、モンゴルならではの刺激的な体験が続いていくわけです。

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