2004年03月12日(金曜日)

『耳をすませば』雑感

 本当はちゃんと日記を書いてから寝ようと思っていたのですが、昨晩はいつの間にかコタツで寝入ってしまっていたので、この12日の日記は13日の日中の更新です。最近更新サボリ気味ですからねー・・・、しっかり書かないと。

 金曜ロードショーで『耳をすませば』を見ました。といってもまぁ途中からです。これまでにも何度か観た、ジブリの作品の中でもお気に入りの部類に入る作品です。また主題歌の『カントリー・ロード』がいいんですよね。大学3回の頃のギタ連定演の合同ポピュラーアンサンブルで、私の編曲でこの曲を演った時は、周囲から「難しすぎ!」と非難を浴びたものでした(苦笑)。2nd以外はそんなでもなかったと思うのですが(そして私はまんまと2ndを弾かされました)。

 それはさておき、あの作品のどこが好きかというと、出てくる登場人物達のひたむきさがいいのです。まだまだ若い主人公達の青春の輝きと言ってしまえばそれまでなのですが、それだけではない、彼らの「何かを作り上げること」に対する誠実さと優しさ、厳しさが伝わってくるのが好きなのです。それはバイオリンを作ることだったり、物語を作ることだったり、あるいは二人の関係を作り上げることだったりします。それら一つ一つに対して、自分で決めた道を信じて、ためらいなく、精一杯進んでいく姿が胸を打つのです。そしてそれを見守る両親やおじいさんの姿も。

 『耳をすませば』を久しぶりに観て、登場人物達のひたむきさを見るにつけ、「自分は一体何をやっているんだろう」という気になってきました。いつの間にか、彼らが持っていたようなひたむきさや一生懸命さといったものが、自分の中からなくなっていることに気がつきました。学生の頃、文章を書いたりギターを弾いたりしていた時。あの時文章やギターと向き合っていた私には、『耳をすませば』の主人公達のようなひたむきさは確かにあったように思います。ところが今は、仕事にも慣れてきて8割の力くらいで適当にこなせるようになってしまって、一応の勉強は続けているものの入社当初の熱さはなく、ギターや文章も悲しいことに惰性の領域に入りかけているのです。いつの間にこうなっていたんだろうと、見ていて少し情けなくなったりもしました。これじゃいけませんね。もう一度、心を立て直さなければならないのです。今ならきっとできるでしょう。世に流されて生きていくのは簡単かもしれませんが、それだけではつまらない。ゾクゾクと、心が痺れるようなあの瞬間を、再び自分の手で創り出せるように、鈍った感性を研ぎ澄まし、しっかり世界を、自分を見ていこうと思ったのです。

 ところで『耳をすませば』は話も音楽も、非常に素晴らしい作品だと思うのですが、あのラストだけは何度見ても、・・・ですね。こっちが恥ずかしいっちゅの(笑)!

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