2001年04月08日(日曜日)

空を見上げてる

 空を見上げてる
 泣き出しそうな空を
 うつむけばこぼれるよ
 だからまだ、ここで、光が差すまで

『街』SOPHIA

 今日、部屋のベランダに座り込んで、なんとなく空を見上げていました。私の部屋は1階ですが、この建物自体が丘の中腹のようなところにあるため、目の前は古びた家屋の屋根と森が広がり、視界の右上方、丘の上にはかなり大きいファミリーマンションが見えます。私の部屋のベランダから見上げる空は、その森の木々とマンションに遮られた形で、多少限定されて広がっています。ベランダに本当に座り込んた状態できつくなった角度で空を見ようとすると、本当に見上げるような格好になります。空を見上げる。思えば、この"見上げる"という感覚はここ最近ずっと忘れていたような気がします。大学生活の中、ほっておいても回生は上がり、3回生になったら何の疑問もなく執行部として役職に就き、4回生になったら元老院のようなものです。その小さな社会の中でそれなりの自信を持って生活していた私は、気付かないうちに井の中の蛙になっていたのかもしれません。

 今、私はこうして現実の"社会"というフィールドに放り出されています。まだまだわからないことだらけです。働いている先輩方を見る。「これはかなわないな」と思うことも多々あります。現時点でかなわないのではなく、いつまでたっても、です。この"社会"では右を見るにも左を見るにも、今の私はいちいち見上げてみなくてはなりません。このベランダから見上げる空の景色は暗示的だな、とそう思ったりもします。少なくとも私の現状の景色です。いつか見上げずに景色を見られる時が来るのでしょうか。その時は、もしかしたらまた私はこうして空を見上げる感覚というものを忘れてしまうのでしょうか。

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